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R18 らぶえっち小説Blog
えっちな表現が盛りだくさんにつき、18歳未満&清純派さん回れ右!
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あなたは知らない-1
2011年09月03日 (土)
「おはよう、白井さん」
 窓際のポールを握ったまま流れる景色をぼーっと眺めていたわたしの耳に、聞こえるはずのない声が聞こえた。慌てて振り返ると、すぐ後ろに見覚えのある男性が一人立っていた。
「課長っ! おはよう、ございます」
 驚きと嬉しさに大きくなりかけた声をぐっと飲み込んで、朝から一ミリの隙もないぱりっとしたスーツ姿に頭を下げた。
 課内全員から課長と呼ばれているが、実際には課長代理だ。前課長の栄転に伴って、係長から課長代理に就任した。ウチの会社に出入りしていた他社の営業から引き抜かれたと言う、超やり手の三十二歳。元営業なだけあって、誰にも公平に優しく丁寧だが、残念ながら既婚者。学生の頃にチラシモデルのバイトをした経験を生かして、ステテコ姿できりっとポーズを決める、一撃必勝の宴会芸を持っている。
 三箇月前までは、それがわたしの知っている彼のすべてだった。
「早いね。いつもこの時間?」
 彼は穏やかに笑みを浮かべながら隣に並んで、わたしの持っているポールの少し上を持った。お尻を向けたまま話すと言うのも落ち着かず、身体をひねってドアを背にもたれさせて振り返ると、長身のスーツ姿と正面から向かい合うような体勢になってしまう。
「いえ、いつもはもっとギリギリなんですけど、昨日ケータイ忘れちゃって。ロッカーの中ってわかってるし普段からきちんとカギをかけるようにしてるんで、それは大丈夫なんですけど。でもやっぱ、なんか落ち着かなくって、早めに出てきちゃいました」
 携帯電話は現代人の必需品だ。ケータイ依存症などと揶揄されるほど重症ではないが、それでも一瞬でも手放したくないと考える人はさして珍しくないと思う。それに、今どき単に電話としてのみ使っている人などほとんどいないだろう。スケジュール管理とアラームに連絡先、秘密のメモやメールなど、人に知られてはいけないプライベート情報が満載だ。家に帰ってから、カバンの中の定位置に携帯が入ってなかったのに気付いたときを思い出すと、今でも冷や汗が出てくる。もしもあのときのわたしを見ていた人がいたなら、お腹を抱えて思う存分大笑いをしてから、さすがに同情して一緒になって探してくれたと思う。それくらい、昨夜のわたしは必死だった。
「ああ、なるほど。それで」
 くすっと笑いながら彼はちらりと周囲に視線を向けた。釣られて電車内を見回しても、わたしの知っている顔は一人もいない。当然だろう。始業時刻の一時間近くも前に着く電車に乗るOLの話など、給湯室でも聞いたことがない。周りはまったく知らない顔ばかり、しかもどの人も耳をイヤホンで塞いだ上で、目は手元の新聞か本か、あるいはケータイなどのモバイル機器に向いていて、他人にはまったく興味なしを力いっぱい体現している。
「それで、昨夜のぼくのメールを無視したんだね」
 誰かに押されたかのような自然な動きで大きな身体が近寄ってくる。心臓がどくりと鳴るより早く、腰の辺りに腕が回ったのがわかった。

 -つづく-
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